My オカリナ作り
かなり自己流ですが、私たちのオカリナ製作をご紹介させていただきます。
まき窯で焼いています
2年ほど前になりますが、
オカリナと出会い夫婦で練習を重ねるうちに、オリジナルのオカリナを作って演奏したらさぞ楽しかろう…
ということになり、ノリに任せて庭にまき窯を作りました。
製作者としては、まったくの駆け出しですが、回数を重ねるうちに次々と発見があり、それに比例して音質も理想として追い求めている、優しく丸みを帯びたふくよかな響きに近づいてきています。
今では市販のオカリナに混じって、アンサンブルで演奏することも出来るようになりました。
簡単にではありますが、発展途上のオカリナ製作ルポです。
試行錯誤の石膏型
オカリナ製作は妻の担当。
ボクはここまでくれば(?)自慢出来るほどの不器用者で、手先の細かい作業は材料の無駄。まったく不向きなのです。(-_-;
ただ、出来る範囲のお手伝いはしますけれど。
まき窯の次、石膏で型を作ります。
これが試行錯誤、かなり時間を要しました。
オカリナの基音(笛の基本となる音程)は、内部の空洞部分の容量で決まります。
したがって型は重要になります。
オカリナの生命線・歌口
オカリナを作る土は信楽の赤土を選定。
型に詰める土の分量も、そこから削り取る内部の土の分量も、正確に重量を計測して行います。
製作しているオカリナは一般的な12穴の物。
開ける指孔の大きさも含め、そうすることで、ほぼ安定して基音をキープすることが出来ます。
オカリナ製作で最も重要なプロセスが、歌口。
吹口から入った息が歌口に当たる角度、歌口から本体内に入る息をコントロールする歌口の厚み、歌口の広がりetc…….
細かい作業の連続です。
この辺の作業に関しては、見ているだけで充分。
妻には申し訳ないのですが、さらさら挑戦する気は起りません(-_-;
石膏の型からは、ひとつのオカリナを上下半分づつに切断した、半身のオカリナが作られます。
上下それぞれのパーツが完成したら、土塀という方法で一つに接着。
妻は依然、陶芸にはまっていたので、この辺りの作業はお手の物。
ここから季節にもよりますが、約3週間ほど安置して乾燥させます。
乾いたオカリナは、いよいよ焼成前の仕上げに入ります。
チューニングメーターを使って基音のピッチ、各音の音程を調整します。
焼成後は約半音ほど音程が高くなるので、それを想定して調整を施します。
楽器表面をメノウや水晶などを扁平にカットした石でこすって磨き、滑らかに。
そして焼成へ。
まき窯し温度管理が難しい
ここからはボクの出番。
あらかじめ庭の林で切り倒した木や、近くの森で倒れている木を切断したものなどを、サイズを揃えてまき割して乾かしてあります。
まきのサイズは、ホームセンターなどで売られている一般的な「まき」の半分程度。
その方が窯にくべやすく、火の付き方も良いように感じるのでそうしています。
窯に火をおこします。
蓋は開けたままで、窯の内部が約200度ほどになったころ、窯の内部にオカリナを並べます。
蓋は開けたまま、徐々に加熱…。
30分程したら蓋を閉じ、まきを補給して内部の温度を上げます。
およそ800度で約4時間。
まきの投入口に蓋をして、そのまま翌日まで24時間かけて冷ましていきます。
あまりすぐに取り出したり急に冷まそうとすると、温度差でオカリナは割れてしまいます。
こなごなに砕けたこともありました。
ゆっくり冷却
翌日窯から取り出したオカリナは、内部の煤を払いよく拭きます。
それから約3日室内で常温下に置きます。
いよいよ最終工程、音程の微調整を行いめでたく可愛い赤ん坊の完成です。